K's SELF
'井川慶'本人からのメッセージをお伝えします。

2017/5/4

公式戦今季初先発 from Sanda

兵庫サンダーズの公式戦で初先発する1週間前、
ベースボールファーストリーグの選抜チームに選出していただき、
楽天イーグルス泉練習場で行われる楽天ファームとの練習試合で、
今季初先発することになりました。

試合前日に神戸から仙台へ移動したのですが、
独立リーグは資金面で恵まれた環境にはないので、
自分は野球では始めての経験となるレンタカーを借りて、
空港から球場まで移動することになりました。

2度も違う球場へ行くなど球場の場所に迷ってしまいましたが、
バスで移動した若手選手たちは、
バスの故障で立ち往生してしまうなど、
自分よりもっと大変だったようです。

翌日の先発は、公式戦の初先発へ向けて、
ちょうどいい調整になるとは思っていたのですが、
3イニングスを投げて最後まで流れに乗ることができませんでした。

体調は悪くはなく、腕の振りもまずまずでしたが、
初回、2死から3番の田中選手にいきなりソロ本塁打を打たれ、
これが結果的に自分で流れを乱した要因になってしまいました。

2回は2死1塁からオコエ選手のセンター前の当たりを、
センターが後逸して1失点。
続く2番向谷選手を見逃し三振でピンチを切り抜けたものの、
3回も1つのエラーで1死3塁となりました。

そのピンチで5番伊東選手を一塁ゴロに打ち取って、
突っ込んだ三塁走者を本塁でアウトにできると思ったのですが、
一塁手がホームには投げず、これで計3失点。
後から聞くと、実は一塁手は肩か肘かを痛めていたようでした。

自責点は初回の本塁打のみだったものの、
3回投げて3失点で降板したことは、
もちろん納得いく結果ではありませんでした。
反省点としては、ファームの打線が相手で、
しかもチームも選抜ということもあり、
リラックスしすぎていて、自分の投球に、
集中ができていなかったように思いました。

投球前のマウンドまでの入り方や、
イニング間のベンチ前でのキャッチボール中など、
試合を通じて準備をしている段階からもっと意識を集中し、
阪神タイガース時代やメジャー時代のように、
神経を研ぎ澄ませて投げること。
ホーム三田での公式戦初先発では、
それを課題に投げてみようと思いました。

そして、4月20日アメニスキッピースタジアムでの、
和歌山ファイティングバーズ戦は、
6回、2安打、9奪三振、無四球、無失点でした。

プレーボールから降板するまで、
一度も気を抜いてしまうことなく、
打者に対して腕を振っていった結果、
試合では終始自分のピッチングができました。

コントロールできていましたし、真っ直ぐの走りもまずまずで、
4回にヒットを許すまで、一人の走者も出さず、
この日は自分で流れを作れました。

5回までヒット1本で7奪三振という内容だったので、
球数も少なかったため、6回も投げることになりました。
6回も三球三振と2塁ゴロで2死となったのですが、
次のピッチャーゴロを自分がさばききれずに走者を許し、
さらに一塁への内野安打で2死1、2塁という、
この日唯一の得点圏に走者を背負うピンチとなりました。

ここで迎えた3番打者は、昨年までチームメートだった選手で、
真っ直ぐよりもスライダーの出し入れの方が
有効であることがわかっていたので、
そのイメージどおりに攻めて、空振り三振に取ることができました。

この試合では、守ってくれた若手野手たちに声をかけることも怠らず、
バントへの対応や守備の確認事など、
指示するようにしていました。
というのも、NPBの選手なら当たり前に理解されていることも、
独立リーグでは確認してあげることが若手の成長にもつながるので、
一つ一つのプレーで声をかけていきました。

また、若手捕手の木山選手とも、
配球についてやサインプレーなど、試合中に意思疎通を図り、
徐々にいいコンビネーションになってきました。
これからもっとよくなってゆくように思います。

試合後はNPB時代にはなかった、
選手とスタッフ全員が球場出口で待って、
観客のみなさんを見送るのが、
兵庫ブルーサンダーズでは恒例です。

平日のナイター、しかもまだ寒い中、
集まってくださったみなさんと握手やハイタッチをし、
このチームでの初勝利を一緒に喜びあいました。
このチームはもちろん、リーグ全体が、
地域との交流をとても大切にしていますし、
選手もそれを理解しています。

写真撮影に応じたり、会話を交わしたりと、
いい雰囲気で球場をあとにすることができました。
今回は自分の予告先発だったこともあり、
いつもより多くの観客が来てくださったと聞きましたが、
それはとてもありがたいことですし、
こうしてまた野球ができて、試合で投げられることに、
とても感謝しています。

これからも、こういうピッチングを続けていき、
もっと多くのお客さんに集まっていただけるように、
日々、トレーニングや調整を頑張っていきます。